初めて家を借りる場合、家賃だけを見て家を決めてしまうこともあるでしょう。しかし、賃貸は家賃を支払うだけでは借りることができません。契約時に初期費用として、数十万円という大金を支払う必要があるのです。今回は、そんな初期費用の内訳や文京区に住む時にかかる初期費用の目安を解説していきます。

この記事を書いた人
高橋 恵衣

25年以上文京区在中。保育園はたんぽぽ保育園。小学校は湯島小学校。文京区で長い期間を過ごし、文京区(特に本郷・湯島)に詳しく、本郷三丁目の不動産屋ナミエ・エステートに所属し、専属ライターとして不動産業に携わり、お客様に本郷・湯島の素晴らしさを伝える。

初期費用って?

初期費用とは、賃貸物件の契約時にかかる費用です。一般的に数十万という大金がかかるため、月々の家賃を払える収入があったとしても、初期費用が払えなければ賃貸に住むことはできません。初期費用が一切かからない物件というのはまず存在しないため、家を借りる際には必ず家賃以外の費用が発生すると考えておくのがいいでしょう。

初期費用に含まれるもの

では、数十万円の初期費用には一体なにが含まれているのでしょうか。それぞれ解説していきます。

前家賃

前家賃とは、翌月一か月分の家賃のことです。最初の月の家賃は賃貸契約時に支払うため、月の途中に入居すると「日割り家賃+翌月の家賃」を支払うことになります。
その分、入居した月の月末は家賃を振りこむ必要がないため、月の終わりには少し余裕を持つことができるでしょう。前家賃は家賃を先払いしているだけなので、いずれかかる出費ということになります。

仲介手数料

仲介手数料とは、物件を紹介してくれた不動産に支払う手数料です。これは法律で金額の上限が決まっており、「家賃1ヶ月分+消費税」以上が請求されることはありません。

なぜ不動産会社に手数料が発生するのかというと、ほとんどの賃貸は「物件を管理している会社=物件を紹介した不動産会社」ではないからです。大手不動産を例にして考えてみましょう。全国に店舗を持つ大手不動産は多くの物件情報をWeb上で公開していますが、公開物件すべてを不動産会社が管理しているわけではありません。家のメンテナンスや鍵の管理を行っている会社が別で存在するのです。

管理会社ごとに物件を探すのは途方もない作業なので、不動産会社が情報を集約して賃貸を探す人に物件を紹介しているという仕組みになります。そのため、契約が決まった時には紹介してくれた不動産会社に手数料を支払う必要があります。

ただし、仲介手数料は賃貸契約の成功報酬なので、契約が成立していない時点で発生することはありません。物件紹介や内見の時点で請求された場合は支払う必要がありませんので、注意しましょう。契約前の確認で取り消した場合や契約無効の場合も、仲介手数料は発生しません。

火災保険料

万が一の時に備えた火災保険は、ほとんどの賃貸で加入することになります。一般的には2年契約となり、初期費用の支払時に一括で支払います。2年を超えて賃貸に住み続ける場合は、契約更新費用も必要です。

また、不動産会社によっては火災保険と一緒にトラブル解決サービスがついていることもあります。鍵紛失時の交換やエアコン故障時の修理など、生活していて困ったことがあった時に無料で利用できるサービスです。

敷金

賃貸は前の住人が退去した後、次の人が借りられるように綺麗な状態へ戻す必要があります。敷金とは、その時にかかる清掃費用や修繕費用を事前に預けておく仕組みです。退去時の部屋の状態によって清掃や修繕にかかる費用は異なるため、一般的には事前に預かった金額と清掃費用の差額が出た場合は返金が行われます。

しかし、どんなに綺麗な状態で退去しても、清掃業者によるハウスクリーニングを行う不動産がほとんどです。そのため全額返金されることはなく、あまりに部屋の状態が酷い場合は追加で修理費用を請求される場合もあります。あくまで大家さんから借りている家なので、大切に使いましょう。

礼金

礼金とは文字どおり、お礼のお金という意味です。家を借してくれた大家さんにお礼として支払うもので、大家さんによっては礼金不要としている物件もあります。礼金は敷金とは違って返金されることがありません。必要な費用も物件ごとに異なるため、契約前に確認しておきましょう。

保証料

保証料とは、賃貸契約の保証人を保証会社へ依頼した時にかかる費用です。保証会社との契約は1年更新なため、賃貸に住み続けるかぎり毎年保証会社との契約更新料が発生します。

この費用は保証会社を利用した場合なので、親族等に連帯保証人をお願いした場合は支払う必要がありません。しかし、物件の管理会社が保証会社の利用を指定している場合は、連帯保証人になってくれる方がいても保証料がかかることがあります。

鍵交換代

セキュリティ対策が行われている物件の場合、住人が変わるたびに新しい鍵へ交換することもあります。その際の交換代が初期費用に含まれていると、明細には「鍵交換代」と書かれています。鍵交換は任意や希望する場合のみ行う物件もあるので、気になる方は不動産会社に相談してみるといいでしょう。

クリーニング代

ハウスクリーニングは前に住んでいた方の敷金から行われる場合が多いですが、入居時の初期費用として負担する場合もあります。金額は部屋の広さや数によっても異なり、契約時の特約としてクリーニング代について明記している物件もあります。

上記は不動産会社に支払う初期費用の内訳です。生活を始めるためには、ほかにも引越し費用や家具・家電購入代が必要なため、入念な準備が必要になります。

文京区でかかる初期費用はいくら?

東京23区の中でも中心に近い文京区は、都心の通勤や買い物に便利な立地です。治安の良さや教育への関心の高さからファミリー層も多く、住みやすい穏やかな街として人気があります。大学が多いことでも有名なため、進学のために引越しを検討する方も多いでしょう。ここでは実際に文京区で家を借りる場合、不動産会社にどのくらいの初期費用を支払うのかシミュレーションしてみます。

初期費用の計算方法

初期費用にかかる金額は様々ですが、一般的には家賃の3~6ヶ月分と言われています。関東では3~5ヶ月分、関西では保証金という名前で4~6ヶ月分の初期費用がかかることもあるようです。東京の場合は大体「家賃×4.5ヶ月」と考えておくと、大幅にズレることがないでしょう。内訳としては、仲介手数料や敷金、礼金、前家賃として各1ヶ月分の家賃がかかります。

文京区の相場

初期費用は家賃によって変動するため、月々の家賃が分かればある程度計算することが可能です。文京区で1Kを借りる時の家賃相場は約9万円なため、ここでは1人暮らしをする想定で初期費用を計算していきます。

家賃9万円の賃貸でかかる初期費用の目安
前家賃 \90,000
仲介手数料(家賃1ヵ月分) \90,000
火災保険料(2年契約) \20,000
敷金 \90,000
礼金 \90,000
保証料(1年契約) \30,000
鍵交換費用 \20,000
合計 \430,000

家賃9万円の家を借りる場合、初期費用だけで43万円かかります。これは目安のため実際には前後しますが、多額の金額を支払う必要があることに変わりありません。ここに引越し費用や家具・家電の購入費用を加算すると、さらに必要な金額は増えていきます。

初期費用の支払い期限

一般的には、初期費用は賃貸契約を行う際に一括で支払いを行います。そのため、賃貸契約までに初期費用が用意できないと家が借りられない場合もあるのです。

最近はクレジットカード払いや分割払いが可能な不動産会社も増えてきたため、初期費用の負担も以前よりは緩和されつつあります。ただし、クレジットカードの一括払いしか選べない場合もあるため、不動産会社に支払い方法の確認をしておくことが大切になります。

初期費用を抑える方法はないの?

引越しや新生活の準備など、家を借りる際にはなにかをお金がかかります。不動産会社に支払う初期費用も、なるべく安く抑えたいと考える方が多いでしょう。

不動産会社に素直に相談する

初期費用を抑える方法はいくつかありますが、物件探しの時点で不動産会社に相談するのが一番費用を抑えることができます。

初期費用は家賃に応じて高くなっていくので、毎月無理なく支払える「家賃」と「初期費用」の予算を素直に伝えることが大切です。不動産会社はこのような相談には慣れているため、収入や貯金を考慮した物件を提案してくれます。

敷金や礼金がゼロの物件を探す

自分で初期費用が安い物件を探したい場合は、物件情報の「敷金」と「礼金」の部分をチェックしましょう。

今は敷金・礼金ゼロを売りにしている物件もあるため、そのような物件を探せば初期費用を抑えることができます。ただし、敷金・礼金ゼロは他の部分が高額になっていたり、金額に関する特約があったりするので注意が必要です。

また、家賃が安くても、敷金と礼金が2ヶ月分ずつかかる物件もあります。ひとつの金額の安さに囚われず、総合的に支払う費用を計算して比較することが大切です。

フリーレントを探す

フリーレントとは、名前のとおり無料で家を借りられる期間がある賃貸です。初期費用が完全になくなるわけではありませんが、入居から1~2ヶ月の家賃が無料になるため、全体の出費を抑えることができます。また、敷金・礼金ゼロとフリーレントを組み合わせている物件もあります。

このような物件は、築年数や立地の悪さ等で空室になりやすい部屋が多い傾向にあります。そのため内装にこだわりながら利用することは難しいですが、条件が合えば格安で利用できるでしょう。敷金・礼金ゼロと同じように特約や解約の条件がある場合も多いので、契約はよく確認してから行ってください。

引越しや家具・家電購入費用を抑える

賃貸の初期費用を抑えることが難しい場合、引越しにかかる費用を抑えることでトータルの出費を抑えることができます。引越し業者にかかる費用は時期や時間によっても大きく変動するため、可能であれば閑散期を狙って引越しするのがおすすめです。

また、物件に家具・家電が備え付けられているものを選べば、新たに購入する費用を抑えることもできます。家具・家電付きは家賃や共益費が高い場合もあるので長期的に見ると割高ですが、とにかく初期費用を抑えたい場合や初めて1人暮らしをする場合にはおすすめです。

注意点として、仲介手数料半額や仲介手数料無料という業者もいますが、ぱっと見お得な感じがしますが、それには理由があり、裏があります。(結局そのような業者は最終的に高くつく可能性が多いです、それはまた別の記事で詳しくお伝えしますね)

まとめ

今回は、家を借りる上で避けられない初期費用について解説してきました。文京区などの東京都内は家賃相場が高めなため、初期費用も高くなりがちです。しかし、不動産会社に相談をすることで、初期費用の内訳を安く抑えてくれる場合もあります。特に街の不動産は周辺の環境にも詳しいため、安いけど生活しにくい物件は率直に伝えてくれる場合が多いです。都内で快適な生活を送りたいけど初期費用は抑えたいという方は、一度本郷三丁目の不動産屋ナミエ・エステートに相談してみてはいかがでしょうか。

当社は本郷三丁目・湯島を中心に文京区・中央区・千代田区の不動産情報満載
ナミエ・エステートにお任せください